焚火台ができるまで
今回は焚火台ができるまでの製作過程をお話ししたいと思います。
あれは2021年の5月初旬のことでした。
焚火台を製造して頂ける工場はないかと、webを眺めていて、ふと「増田製作所」さんのHPが目に留まりました。
本当に直感としか言いようがないのですが、「ここかも!」と感じ、すぐに連絡を入れました。
ご希望に添えるかわかりませんがと控えめなお返事でしたが、打ち合わせをして頂けることになりました。
場所は富士山のふもと、富士市。
打ち合わせには、増田常務、小林部長、同い年の鈴木グループ長が出席くださいました。
ブランド趣旨と焚火台の説明を一通り終えた後、増田常務が一言。
「一度、現状の図面でサンプル作って、燃焼試験をしてみましょう」
駆け出しのブランドには沁みる一言で、とても嬉しかったことを今でも鮮明に覚えています。
当初のデザインは薄いステンレス製の板材をスリット部でクロスさせるものでした。
できるだけ薄くて、錆びない、対称系の形状であることだけを考えていたと思います。
(今見ると、なんとも味気なく、バランスの悪い形だなと自分でも思います 笑)
期待に胸を躍らせた燃焼試験。結果はベコベコ。頭では理解していたつもりでも、ここまで大きな歪みが発生するとは思ってもいませんでした。
そこからは、設計の見直しと熱変形の勉強をしながら、サンプル製作と燃焼試験を繰り返しました。あっという間に夏が過ぎて行きました。
材質を錆に強い黒皮鋼板とし、板厚を2.5mmにすることで、熱変形を抑えることができ、9月の中旬ごろにやっと今の形に辿り着くことができ、商品化の目処が立ちました。
当初の骨格は変わらずとも、ブランド立ち上げから4ヶ月かけて、試行錯誤を重ねて出来上がった焚火台です。
いつか、製作過程がわかるよう、サンプル品をずらりと並べた展示をどこかでやってみたいものです。
そんな日を夢見て、今はブランドをみなさんに認知していただけるよう、精進してまいります。
最後までお読みいただいて、ありがとうございます。