notonare_yamatonareのブログ

アウトドアブランド

焚火台が組立式であること

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最近、Instagramの投稿が多かったので、久しぶりのブログ投稿です。

 

今回のタイトルは「焚火台が組立式であること」。

焚火台の主流はワンタッチ式です。キャンプ場について、パカッと開くと焚火台が完成するので、時短+収納という面でメリットがありますね。

 

今は焚火台を使うことが当たり前ですが、そもそも焚火台を使う理由をご存知でしょうか?

もともと焚火は直火でやったり、石を組んでかまどを作ったりして楽しまれていたものでしたが、キャンプブームの訪れによりロケーションを重視した全面芝生のキャンプ場が増えたことで、直火を禁止するキャンプ場が増えたことが焚火台需要の一番の理由です。

近年はSGDsの側面から植物や生物への影響も直火禁止に繋がっています。

このあたりはスノーピークさんの焚火台が生まれるまでのストーリーでも語られていますね。

 

私は幼少期からボーイスカウトに入隊していたこともあり、焚火=直火は当たり前にしていたことです。キャンプファイヤーもそうでした。

ただ一方で、ボーイスカウトでは '立ちかまど' という焚火台も手作りします。

これが立ちかまどです。

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(参照:【団】指導者の為のスカウトスキル研修 - ボーイスカウト川崎第46団

 

周囲への延焼がなく、しゃがまずに調理ができるメリットがあります。

ボーイスカウトではこれを現地の資材(竹や落枝など)で毎回、製作解体をしていました。

ボーイスカウトのキャンプは、できるだけ持ち物を少なくし、作れるものは現地で作ることが多かったです。(お箸やコップなんかも作っていたような…)

毎回作っているうちに、改善点が色々と出てくるわけです。より使いやすくするためであったり、強度的な観点であったり。そうやって立ちかまどの構造を理解して、現場の資材に対応してかまどを作り上げていました。

 

前置きが長くなりましたが、なぜ焚火台が組立式なのか。

これはやはり前述の私のルーツに関係があるのですが、使っていただくユーザーにも焚火台の構造を理解していただきたく、組み立てるという行為がキャンプの一つの醍醐味として感じてもらえたら嬉しいと思っています。

また使っているうちに「こうなったらもっといいかも」を感じて欲しいというところがあります。この気づきが埜となれ山となれにフィードバックされることで、さらに新しいものづくりにつながって行けると思っています。

私自身、この焚火台が最終形とは思っていません。この気づきの蓄積により、数年後にVer.2が出るかもしれません。焚火台のカスタムパーツやほかのプロダクトの設計に反映されるかもしれません。

 

これが埜となれ山となれの焚火台が組立式である理由だと感じています。

こういったブランドやプロダクトのストーリーに共感を持っていただけたら嬉しいですし、ブログやInstagramを続ける理由なんだと思います。

 

是非、手にとって使ってみてください。

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新年のご挨拶

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新年、明けましておめでとうございます。

 

未だ世界的に不安定な状況ではありますが、少しでも収束に向かうことを願いつつ、新たな年が良い一年でありますように。

 

 

昨年を振り返ると、4月末に「埜となれ山となれ」を立ち上げ、第一弾プロダクトの製品化に向けてスタートを切りました。

当初は年内にいくつかのプロダクトを製品化するんだという、なんとも短絡的な考えで、走り出してしまったなぁと、今思うと恥ずかしくなります。

 

それでもなんとか年内に焚火台を形にできたことは、成果として満足しています。また、それを支えてくださった方々に、本当に感謝しております。

 

焚火台の相談から製作までを担って下さった増田製作所さん。

付属パーツのワイヤーリングの特注を快く承諾して頂いた高橋商店さん。

焚火台のスチール撮影やPVの作製をして頂いた岡野太郎さん。

現在検討中の焚火台収納ケースの相談、サンプル作製にご協力頂いているアルファトゥリアジャパンさん。

みなさん、昨年に出会った方ばかりですが、焚火台の販売までを支えて頂き、感謝するばかりです。

 

さらに、ブランド立ち上げから応援して下さった知人、友人のみなさま。ブランドや焚火台に共感してストアやInstagram、このブログをみて頂いたみなさまにも感謝です!

今後も応援していただけると、とても励みになります!

 

新年から感謝の繰り返しになりましたが、今年は新たなプロダクトの製作と拠点づくりを目標に進んでいきたいと考えております。

少し暖かくなってきたら、焚火を囲みながらお話しできる焚火会でもやってみたいなぁと妄想しています。

昨年よりもよりチャレンジングに、新たなものづくりをしていきたいと思います。

 

今年も「埜となれ山となれ」をよろしくお願いします!

 

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焚火台ができるまで

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今回は焚火台ができるまでの製作過程をお話ししたいと思います。

 

あれは2021年の5月初旬のことでした。

焚火台を製造して頂ける工場はないかと、webを眺めていて、ふと「増田製作所」さんのHPが目に留まりました。

本当に直感としか言いようがないのですが、「ここかも!」と感じ、すぐに連絡を入れました。

ご希望に添えるかわかりませんがと控えめなお返事でしたが、打ち合わせをして頂けることになりました。

 

場所は富士山のふもと、富士市

打ち合わせには、増田常務、小林部長、同い年の鈴木グループ長が出席くださいました。

 

ブランド趣旨と焚火台の説明を一通り終えた後、増田常務が一言。

「一度、現状の図面でサンプル作って、燃焼試験をしてみましょう」

 

駆け出しのブランドには沁みる一言で、とても嬉しかったことを今でも鮮明に覚えています。

 

当初のデザインは薄いステンレス製の板材をスリット部でクロスさせるものでした。

できるだけ薄くて、錆びない、対称系の形状であることだけを考えていたと思います。

(今見ると、なんとも味気なく、バランスの悪い形だなと自分でも思います 笑)

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期待に胸を躍らせた燃焼試験。結果はベコベコ。頭では理解していたつもりでも、ここまで大きな歪みが発生するとは思ってもいませんでした。

そこからは、設計の見直しと熱変形の勉強をしながら、サンプル製作と燃焼試験を繰り返しました。あっという間に夏が過ぎて行きました。

 

材質を錆に強い黒皮鋼板とし、板厚を2.5mmにすることで、熱変形を抑えることができ、9月の中旬ごろにやっと今の形に辿り着くことができ、商品化の目処が立ちました。

 

当初の骨格は変わらずとも、ブランド立ち上げから4ヶ月かけて、試行錯誤を重ねて出来上がった焚火台です。

いつか、製作過程がわかるよう、サンプル品をずらりと並べた展示をどこかでやってみたいものです。

そんな日を夢見て、今はブランドをみなさんに認知していただけるよう、精進してまいります。

 

最後までお読みいただいて、ありがとうございます。

 

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ブランドの由来

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ブランド名 “埜となれ山となれ” の由来について少しお話したいと思います。

 

埜となれ山となれのモットーとしている、

「使い方に余白のある新たなプロダクトを。」

 

使い方の余白って?と思われる方も多いと思います。

 

みなさんはこれまでにものを使う際、そのもの本来の使い方とは別の使い方をした経験はないでしょうか。

例えば、コップをペン立てや花瓶として使ってみたり、スツールを踏み台やコーヒーテーブルとして使ってみたことなどです。

この本来と違う使い方のことを埜となれ山となれでは、’余白’と位置付けています。

 

コップを設計・デザインする際に大切なことは、想定される飲み物の適切な容量であったり、持ち手の感触に関わる素材や持ちやすさなどが挙げられます。そこに、ペン立てとして使うなら重心が偏っても転倒しないような形状にしようとか、花瓶として使うならある程度容量が必要になりそうだとか、別のベクトルのアイデアが加わることになります。

こうして出来上がるコップは、おそらくこれまでのコップとは別のものとして感じられるのではないでしょうか。

とすると、このコップなのかペン立てなのか花瓶なのか、どれとも捉えられるものへのアプローチは当然変わってくると思います。もしかするとこれまでのコップにはなかった新たな使い方も生まれてくるのではないでしょうか。

 

我々はものを’作る’ところまでしか密に関わることはできません。

ですから、その段階でできるだけどんな使い方ができるかを色々と考えて、できるだけ余白が生まれるように取捨選択しながら一つのものを作り上げていきます。

もしその先にある、’使い方’の部分にユーザーのアイデアがどんどん加わることができれば、このものの価値はより大きなものになると信じています。これがものへの愛着が湧く瞬間であったり、他のユーザーとアイデアを共有する機会に繋がったら、ものが生まれた意味があると思っています。

こんな風に、埜となれ山となれのギアを通じて、ユーザーの方がつながっていけるブランドを作っていきたいと思い、「使い方に余白のある新たなプロダクトを。」をモットーに、ものづくりをしています。

 

これを読んでいただいた後に、storeのABOUT(または初回のブログ)を読んでいただくと、ブランド名の由来がスッと繋がってくるのではないかと思います。

 

これにて、今回のお話を締めくくりたいと思います。

最後までお読みいただいてありがとうございました。

 

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NEW ITEM! 焚火台_χ450発売。

2021年5月より、構想・設計・製作を進めてきました、埜となれ山となれ1つめのプロダクト、「焚火台_χ450」がついに販売しました。(χはkaiと読みます)

 

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「収納は薄く、組み立てたら大きい」

そんな言葉がスタートでした。

設計を進めるうちに、

・組み立てる手間も楽しみに捉えてほしい

・焚き火も料理もと欲張りたい

・見る角度で違った見え方になる

と構想を膨らましながら、試行錯誤を重ね出来上がった焚火台です。

 

今回は、創業から50年以上、自動車部品などの製作に取り組まれてきた「増田製作所」さんとコラボレーションしました。

増田製作所さんはアウトドアショップ「SWEN」さんとオリジナル鉄板の開発も行われており、金属加工のプロフェッショナルです。

 

 

焚火台の販売に併せて、収納ケースも発表したかったのですが、そちらはもうしばらく先となります。楽しみにお待ちください。

 

--以下、焚火台_χ450概要(SHOPより引用)-------------------------------------------

 

焚火台_χ450は、ソロキャンプからファミリーキャンプまで、幅広く焚き火や料理を楽しんでいただけるよう、幅450mmという大きさでありながらも、車の積載や家庭の収納に不便のないよう、収納時は約10mmの薄さの組立式焚火台です。
一般的な薪サイズ(360mm前後)に対応した大きさで、存分に焚き火を楽しむことが可能です。

材質は錆に強い黒皮鋼板を用い、その独特な色味によってインダストリアルな風合いをもつ焚火台に仕上がりました。
本体各部にあるスリットは熱による変形防止に加え、側面からの吸気や付属の五徳を差し込み、シーンに応じて幅や高さが調整できるよう設計しています。

 

創業から50年以上、自動車部品などの製作に取り組まれてきた「増田製作所」さんのご協力をいただいた、Made in Japanの製品です。

ぜひ、キャンプシーンに合わせた使い方をお楽しみください。

 

※燃焼温度によって、本体の変形が起こることがあります。ご理解の上、ご使用ください。

材 質:黒皮鉄(SS400)

サイズ:450mm×300mm×10mm (収納時)

    450mm×285mm×215mm(組立時

重 量:4.5kg

 

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ご挨拶

みなさま、はじめまして。

埜となれ山となれと申します。

この度、アウトドアブランドとして新しく立ち上げをしました。

「使い方に余白のある新たなプロダクトを。」をモットーに、みなさまに愛され、成長していけるものづくりを目指していきます。

 

「埜となれ山となれ」は、ことわざにある「後は野となれ山となれ」から引用しています。
本来は、自分ができること・すべきことは全て行ったので、後は何がどうなっても構わないという意味があります。
これを読み替え、埜となれ山となれとして心を込めて製品づくりに取り組み、ユーザーの手に渡った後は独自に手を加えて使っていただきたい、またそんな余白のあるプロダクトを作っていきたいという意味を込めました。

所有する喜びと、使用する喜び。
この使用の部分にユーザーのアイデアが加わることで、より一層の愛着を持っていただけるプロダクトになればと考え、「埜となれ山となれ」という言葉を選びました。


ブランド名の「埜」は「野」の旧字体にあたります。
古来より、自然は人間の側にあり、その恩恵を受けながら自然と共存してきました。そんな先人たちの自然との向き合い方に敬意を込め、旧字体を使用しています。
また、ブランド名が示す、山・林・土といった自然を構築するものを保全、活用していく活動をおこなっていく意思表明でもあります。

 

2021.04  埜となれ山となれ

 

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